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首の病気・症状

こんなお悩みありませんか?
- 朝起きたら首が痛くて動かせない
- パソコン作業のあと、首や肩がガチガチに凝る
- 首を動かすと電気が走るような痛みや手にしびれを感じる
- 最近よく頭痛やめまいが起きるが、原因がわからない
- 頻繁に寝違えを起こし、日常生活に支障が出ている
首の痛みやしびれなどは、一時的な症状と思われがちですが、放置すると悪化する場合があります。「少し様子を見れば治る」と考えずに、早めに整形外科の受診を検討しましょう。
首の病気や症状の概要
首(頚椎)は、体重の約10%を占めると言われる頭を支える重要な役割を担っています。また、脳から続く神経が集まる場所であり、非常にデリケートな構造になっています。そのため、姿勢の悪さや加齢、日常的な動作のクセなど、さまざまな原因で首にトラブルが生じやすい部位です。
特に近年、スマートフォンやパソコンを長時間使用する生活習慣により、首の痛みやこり、さらには腕や手へのしびれなどを訴える患者様が増加しています。首の症状は、日常生活の質(QOL)を著しく低下させ、重症化すると手術が必要になることもあります。
首に起こる代表的な病気としては、頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症、後縦靭帯骨化症などがありますが、これらは初期段階では似たような症状を示すこともあり、自分で判断するのは困難です。症状を軽視せず、早期診断と適切な治療を受けることが何よりも重要です。
首の症状一覧
首の症状には、病気に特有のものから、複数の病気で共通してみられるものまで様々です。以下の表で、代表的な症状と考えられる病気、受診の目安をまとめました。
症状 | 考えられる主な病気 | 受診の目安 |
---|---|---|
首の痛み | 頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、寝違え | 痛みが数日以上続く、または強くなる場合 |
首のこり・張り | 頸部筋筋膜炎、頚肩腕症候群、頚椎症、頸部筋筋膜炎 | 日常生活に支障が出るほど続く場合 |
肩こり | 頸部筋筋膜炎、頚椎症、胸郭出口症候群、頚肩腕症候群 | 長期間治らない、頭痛を伴う場合 |
頭痛 | 頸部筋筋膜炎、頚椎症、頚性頭痛、緊張型頭痛 | 頻繁に繰り返す場合や頭痛薬が効かない場合 |
めまい | 頚椎症、頚性めまい、むち打ち症 | 頻繁に発症し生活に影響する場合 |
吐き気 | 頚椎捻挫(むち打ち症)、頚性頭痛 | 首の動きに伴い吐き気が起こる場合 |
耳鳴り | 頚椎症、胸郭出口症候群 | 慢性的に続き、日常生活に支障がある場合 |
首が回らない・動かしにくい | 寝違え、頚椎捻挫、頚椎症 | 数日以上改善しない場合 |
首の腫れ | 頚部リンパ節炎、頚椎腫瘍 | 数日続く、または痛みや発熱がある場合 |
手や腕のしびれ | 頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症 | しびれが頻繁に起こる、強くなる場合 |
手足の感覚が鈍い | 頚椎症性脊髄症、後縦靭帯骨化症 | 症状が徐々に悪化している場合 |
手や指の力が入りにくい | 頚椎椎間板ヘルニア、頚髄症 | 握力低下や細かい作業が難しい場合 |
歩行障害(歩きにくい) | 頚椎症性脊髄症、後縦靭帯骨化症 | 足元がふらつく、転倒しやすい場合 |
物をつかみにくい | 頚椎症性脊髄症、頚椎椎間板ヘルニア | 指先が動かしにくくなっている場合 |
首が傾く(斜頚) | 頚性斜頚、筋緊張異常症 | 首が片側に傾き、元に戻せない場合 |
首や肩周囲の違和感 | 胸郭出口症候群、頚肋症候群 | 症状が数週間以上続く場合 |
喉のつかえ感・違和感 | 胸郭出口症候群、頚椎腫瘍 | 症状が長期間続く、強まっている場合 |
疲れやすい・倦怠感 | 頚椎症、頚肩腕症候群 | 慢性的に疲れが抜けない場合 |
背中の痛み | 頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症 | 首の症状に伴い発生、改善しない場合 |
※症状が軽微であっても放置すると重症化するケースがあります。特に神経症状(しびれ、麻痺など)や日常生活に支障がある場合は、速やかに医療機関への受診をおすすめいたします。
首の病気一覧
首の病気は多岐にわたり、それぞれ症状や治療法が異なります。以下の表では代表的な病気を幅広く挙げ、それぞれの特徴や原因、治療法を簡潔にまとめています。
病名 | 特徴・症状 | 主な原因 | 主な治療法 |
---|---|---|---|
頚椎椎間板ヘルニア | 首の痛み、腕や手のしびれ・痛み | 加齢、姿勢不良、外傷 | 投薬、リハビリ、手術 |
頚椎症性神経根症 | 慢性的な首の痛み、肩こり、手のしびれ | 加齢、慢性的な首への負担 | 投薬、リハビリ、手術 |
頚椎症性脊髄症 | 手足のしびれ、歩行障害 | 頚椎症、後縦靭帯骨化症など | 投薬、リハビリ、手術 |
後縦靭帯骨化症 | 手足のしびれ、運動障害 | 遺伝要素、加齢 | 投薬、リハビリ、手術 |
頚部脊柱管狭窄症 | 手足のしびれや麻痺、首の痛み | 加齢、椎間板ヘルニア、頚椎症 | 投薬、リハビリ、手術 |
頚椎捻挫(むち打ち症) | 首の痛み、頭痛、吐き気、肩こり | 外傷(交通事故など) | 投薬、頚椎カラー、リハビリ |
寝違え(急性頚部痛) | 急な首の痛み、可動域制限 | 不自然な姿勢での睡眠 | 投薬、ストレッチ、リハビリ、安静 |
頚椎すべり症 | 首の慢性的な痛み、腕のしびれ | 加齢、外傷、先天的要因 | 投薬、リハビリ、手術 |
頚椎分離症 | 首の痛み、違和感、腕のだるさ | 外傷、先天的要因 | 投薬、リハビリ、安静 |
頚肋症候群 | 首・肩の痛み、腕のしびれ、血流障害 | 生まれつきの骨格異常 | 投薬、リハビリ、手術 |
胸郭出口症候群 | 首や肩の痛み、腕・手のしびれ、握力低下 | なで肩、姿勢不良、筋肉の緊張 | 投薬、リハビリ、手術 |
環軸椎亜脱臼 | 首の痛み、可動域制限、神経症状 | 関節リウマチ、外傷、遺伝 | 装具療法、手術 |
斜頚(頚性斜頚) | 首が片側に傾く、筋肉の緊張・痛み | 筋肉の異常収縮、先天性・後天性要因 | ボツリヌス菌注射、手術 |
頚部リンパ節炎 | 首のリンパ節の腫れ、痛み、発熱 | 感染症(細菌・ウイルス) | 抗菌薬、消炎鎮痛剤 |
頚椎腫瘍 | 首や腕の痛み、麻痺、感覚障害 | 原因不明、遺伝要素 | 手術、化学療法、放射線療法 |
頚肩腕症候群 | 首・肩・腕の広範囲な痛み・しびれ | 長時間の同一姿勢、過労、ストレス | 投薬、リハビリ、生活指導 |
※ここに記載している病名や特徴は代表的なものであり、個々の症状や治療法は患者様の状態によって異なります。正確な診断や治療方針については医療機関での診察を受けてください。
首の病気・症状の原因
首の病気や症状は、日常の生活習慣や加齢、環境要因などが複雑に絡み合って生じます。特に近年は生活スタイルの変化により、若い世代にも症状が現れるケースが増えています。主な原因とリスク要因をまとめましたので、ご自身の生活を見直すきっかけとしてもご覧ください。
姿勢の悪さ・長時間の同一姿勢
- スマートフォンの長時間使用による前傾姿勢(スマホ首)
- パソコン作業による首・肩の負担(デスクワーク症候群)
加齢による骨や関節の変化
- 椎間板や椎骨の摩耗・変性
- 靭帯の硬化や骨化
精神的ストレス
- 緊張による筋肉の慢性的な収縮
- 自律神経の乱れによる首こりや頭痛
外傷・事故による損傷
- 交通事故などによる頚椎捻挫(むち打ち症)
- スポーツや激しい動作による損傷(頚椎損傷)
遺伝的要因
- 骨格の形状による疾患(後縦靭帯骨化症、頚肋症候群など)


これらの要因は単独ではなく、複合的に絡み合って首の症状を引き起こすケースも多いため、日常の生活習慣を見直し、予防策を取り入れることが重要です。
当院で行う治療法
吉野整形外科では、患者様一人ひとりの症状に応じて、適切な治療法をご提案しています。診察後に最適な治療プランを立て、症状改善と再発予防をサポートいたします。
保存療法(非手術的治療)
- 投薬治療(消炎鎮痛剤・筋弛緩剤などによる症状の軽減)
- 注射治療(神経根ブロック注射・トリガーポイント注射)
- 装具療法(頚椎カラーなどの装具で首を安静に保ち症状緩和)
- 理学療法(運動療法・物理療法)
手術療法(外科的治療)
- 頚椎椎間板ヘルニア手術(前方固定術、椎弓形成術など)
- 脊柱管拡大術(脊柱管狭窄症、後縦靭帯骨化症に対する治療)
- その他、患者様の状態に最適な低侵襲手術

当院では、可能な限り身体への負担が少ない治療法を選択し、患者様が安心して治療を受けられる環境づくりを徹底しています。
首の病気や症状の予防
首の病気や症状は日々の習慣や適切なケアで予防・軽減できることが多いです。ご自宅でも簡単に実践できる予防法をご紹介しますので、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。
正しい姿勢を心がける
- パソコン作業ではモニターを目の高さよりやや下(10〜15度)に下げる
- スマートフォンを見る際は、過度な前傾姿勢にならないようにする
- 長時間の同じ姿勢を避け、30分に1回は姿勢を変えるように意識する
首や肩のストレッチを習慣化する
- 肩を回す運動(肩甲骨を動かすイメージで)
- 首をゆっくり左右・前後に倒し、筋肉をほぐす
- 背筋を伸ばし、深呼吸をしながら筋肉を緩める
筋力トレーニングで首周辺を強化
- 軽い負荷を用いて首や肩周辺の筋肉を強化(ただし、悪化を招く場合があるので事前に医師の診断を仰ぐことを推奨します)
- 理学療法士による指導を受けるのも効果的
睡眠環境を整える
- 枕の高さを調整し、首に負担の少ない寝姿勢を作る
- 自分に合った寝具を選び、睡眠の質を高める
ストレス管理とリラクゼーション
- 入浴やマッサージなどで日々のストレスを解消
- 自律神経を整えるため、適度な運動や呼吸法を取り入れる


首の健康を守るには、特別なことを行う必要はありません。ちょっとした心がけで予防効果が高まります。痛みがない場合でも予防的ケアとして習慣化することで、長期的な健康維持につながります。
よくある質問(Q&A)
首の病気や症状に関して、患者様からよくいただく質問を掲載しています。ぜひ参考にしてください。
急性期(寝違えや怪我直後)は冷やすことが効果的ですが、慢性的なこりや痛みは温めるほうが改善します。
急性期とは発症からおよそ1ヶ月以内です。
整形外科が適切です。痛みやしびれ、動きの制限がある場合は早めに整形外科へご相談ください。
日頃の姿勢改善やストレッチである程度改善可能ですが、重症化している場合は専門医の指導が必要です。
枕の高さが合わないと首への負担が増え、痛みやこりの原因になります。自分に合った高さの枕を使うようにしましょう。
首を鳴らす癖は関節や神経への負担が大きく、痛みや関節炎の原因になるため控えましょう。
必ずしも手術が必要ではなく、多くの場合は保存療法(薬物療法やリハビリ)で改善します。ただ、重度の場合には手術が必要になることもあります。
睡眠環境の改善(枕や寝具の見直し)やストレッチ、姿勢改善が効果的です。
軽度の場合は自然治癒することもありますが、多くの場合は原因疾患があり、放置すると悪化するリスクがあります。早期の受診をお勧めします。
マッサージで一時的に改善することもありますが、根本的に解決するには原因となる生活習慣や疾患の治療が必要です。
一時的な症状緩和には役立つ場合もありますが、長引く場合は医師の診察を受け、適切な治療を受けることが重要です。
首の病気や症状は「吉野整形外科」へ
吉野整形外科は、首の病気や症状の治療に豊富な経験と実績を持つ整形外科クリニックです。診察では患者様一人ひとりの症状に丁寧に向き合い、適切な診断と最適な治療を提供します。
- 丁寧で分かりやすい説明
- 一人ひとりに合わせたオーダーメイド治療
- 手術を避けるための保存療法・リハビリにも力を入れている
- 痛みの軽減だけでなく、再発予防・健康維持までサポート
首の痛みや不調でお悩みの方は、ぜひお気軽に吉野整形外科へご相談ください。
私たちが責任をもってサポートいたします。